国債価格が下がるとどうして長期金利が上がるのか?

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buisness

国債の価格と金利の相対関係を考える上で、まず押さえておきたいポイントは「国債の利回り※」と「市場の金利水準」とは、国債価格との間で天秤の関係にあるということです。

(※国債の利回りは、「利払いに伴うインカムゲイン(利息収入)」+「償還に伴うキャピタルゲイン(買値と償還価格との差)」として計算されます)

 

【サイクル1】

「市場の金利水準」の変動を起点にした場合の国債価格への影響を考えると、

まず、

「市場の金利水準」が上昇した場合、「国債の利回り」に対して魅力が低下し、相対的に国債価格が下落します。

逆に、

「市場の金利水準」が下降した場合、「国債の利回り」に対して魅力が上昇し、相対的に国債価格が上昇します。

 

【サイクル2】

国債価格の変動を起点にした場合の「市場の金利水準」への影響を考えると、

まず、

国債価格が下落した場合、「国債の利回り」の上昇となるため、相対的に「市場の金利水準」が低下します。

逆に、

国債価格が上昇した場合、「国債の利回り」の下降となるため、相対的に「市場の金利水準」が上昇します。

 

さらに、サイクル1 → サイクル2 → サイクル1 → サイクル2・・・と影響は循環を繰り返していくことによって、相互に影響を及ぼし合っています。

 

但し、上記の「市場の金利水準」は短期金利(中央銀行が金融調整によって行う操作目標:政策金利)と呼ばれるものを示します。

長期金利の場合は短期金利と逆位相となります。つまり、短期金利が上昇すると(相対的に)長期金利が下降し、短期金利が下降すると(相対的に)長期金利が上昇します。そのため、上記の「国債の利回り」と長期金利とは連動する(「国債の利回り」は長期金利と読み替えて良い)と考えてよいことになるわけです。

国債の利回りが長期金利の指標となる理由は、こうした市場原理が背景にあります。

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